将来について考える。
期待がある。不安がある。広大な、漠然とした、社会が僕たちを待っている。彼らは手招いているように見える。僕は彼らを恐れる。だから、彼らに背を向ける。けれど、彼らは着実に僕のもとへ歩みよる。どんどん近付いてきている。時間は止まらない。すでにはっきりとした足音が聞こえている。
僕はなぜ彼らを恐れるのか。
わからない。
彼らのことをよく知りもしないのに恐れている。知らないから恐れているのか。
彼らは躊躇なく近づいていくる。
僕は勇気を出す。
前を向く。
彼らと向き合う。
驚いた。
そこにはたくさんの道があったんだ。
しっかりとした道、困難な道さまざまだけど。近道もあった。
どんな道でも、行き止まりだと思っていた道でも、彼らのところに続いていたよ。
彼らはそれに気付いてほしかったのかもしれない。
僕たちはまだ若い。彼らまでの距離は、まだまだあるんだ。
だから、ぼくたちにはたくさんの道があったんだ。
僕は、笑いながら彼らに言う。
「急がないでもうちょい待ってよ。少ししたらこっちから会いに行くからさ。大きなお土産をもってね」